和魂凡才 2006年08月
和魂洋才の人・榎本武揚を主に、幕末関係の話や本の紹介をする凡才人のブログです
ブリュネ
岡田 新一 田中 彰 クリスチャン ポラック 紺野 哲也 綱淵 謙錠
中央公論社 (1988/06)


徳川幕府の軍事顧問団として来日し、榎本軍に参加し共に箱館まで行って一緒に戦ったフランス軍士官ブリュネが残したスケッチ。

ブリュネの絵はとても緻密で、写真を見ているかのようです。写真機がなかった当時、情景を正確に素描する能力は、陸軍士官にとって必須だったそうです。
箱館戦争だけでなく、堺事件やパークス襲撃事件、また庶民の生活なども描かれていて、当時の日本の様子がわかる貴重な資料です。他にメキシコ遠征時のスケッチもあります。

人物画もあり、十五代将軍慶喜のスケッチもあります。スケッチと共に簡単な説明も書かれていて、「アラミスと呼ばれた女」の主人公お柳のモデルになったのは「初めて出会ったフランス語を話す日本人ジツタロウ(通称アラミス)」と書かれている、髷を結った小柄な感じの人物の絵。
小杉雅之進の「麦叢録」や、新政府軍側の藩士の描いた絵も載っているので、見比べてみるのも面白いです。

【2006/08/13 08:55】 | 箱館戦争本
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榎本武揚―幕末・明治、二度輝いた男
満坂 太郎
PHP研究所 (1997/08)
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サブタイトルにもあるように前半は幕末の品川沖脱走から五稜郭開城まで、後半は辰ノ口牢獄から晩年までが描かれています。
前半が小説風なのに対し、後半は明治新政府に榎本さんが出仕してからの数々の仕事と功績が評伝風に書かれていて、どちらかというと後半の方に力をいれているようです。著者自身も、「この本の目的はあまり知られていない五稜郭以後の榎本の生涯を紹介する事にあった」とあとがきに書いています。


榎本さんの後半生を知るには、加茂儀一氏の著書が一番詳しいと思われますが、この本は多少の創作が入ってはいますが、手っ取り早く榎本さんの後半生を知りたい人にはおすすめです。

勝海舟との関係は、他の小説に比べればよい方です。この本で勝海舟と新門辰五郎の辞世の言葉・句を初めて知りました。
勝海舟の辞世の言葉は「コレデオシマイ」だそうです。なんて簡潔な…。、いろいろと政治工作したり、人を皮肉ったりしていた勝さんでしたが、死に際は潔かったんですね。
新門辰五郎の辞世は「思いおくまぐろの刺身あわびの汁 ふっくりぼぼにどぶろくの味」だそうです。死ぬ間際に自分の好きな物を句にして詠むとは・・・。勝さんと対照的ですね。榎本さんは、新門辰五郎の死後、その家族を家に引き取ったりして面倒をみてあげたりしたそうです。
この句を見て、後年榎本さんが好んで足を運んだ百花園で、酔狂で作ったと言われる句を思い出しました。
 「隅田川誰をあるじと言問はば 鍋焼うどんおでん燗酒」
どちらも江戸っ子。なんとなく共通するものがあったようです。


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【2006/08/05 03:14】 | 榎本さん本
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