和魂凡才 2008年01月28日
fc2ブログ
和魂洋才の人・榎本武揚を主に、幕末関係の話や本の紹介をする凡才人のブログです
昨日テレビのチャンネルをあちこち変えていたら、「サンクトペテルブルグ」という言葉に反応して手を止めました。「世界遺産」でエカチェリーナ宮殿が紹介されていました。
まぁ、その豪華なこと!まさに贅を尽したという感じできらびやかです。特に琥珀の間は「すごい」の一言です。

サンクトペテルブルグの宮殿といえば、樺太・千島交換条約の後処理でロシアに滞在していた榎本さんが多津さん宛に書いた、宮殿での晩餐会の様子を伝えた書簡を思い出します。
一部紹介しますと

偖て其夜の有様は一々筆には尽くされぬほどの景色にて、まづ金銀珠玉をちりばめたる事仙人の住家かと見まごふ程の宮殿に美事なる燭をもやし、踊の間には蠟燭五千本程つり灯篭にてりかゞやき、美石の柱は数を知らず…(中略)
この大広間は横幅八間ばかり、長サ四拾間、高さ(天井)ハ五間ばかりにて両側に「パルム」といふ印度地方の樹の三間余もあるものを植ならべ、柱には青々としたるツタカヅラの纏ひて其様あたかも熱帯地方の如くかかる青樹の下に「テーブル」を並べて山海の珍味と諸種の銘酒を置き、器は「フランス」焼きの瀬戸物に「フォーク」「スプーン」小杓子「ナイフ」小包丁等も皆ドッシリと重き純銀にて其幾人前なるを知らず…

         国立国会図書館・榎本武揚書簡より
                 (「資料・榎本武揚」加茂儀一編より引用)

一間を約1.8mとしたら、晩餐会が開かれた大広間は横幅14.5m、長さ72m、高さ9mという広さです。金銀の装飾を施された柱や壁に蠟燭が5千本も灯されていたとらしい。
これにはオランダに留学して西洋の建築や美術品を見たであろう榎本さんも、さぞかし驚いたろうと思います。

TBSの「世界遺産」は来週も「サンクト・ペテルブルグ歴史地区と関連建造物群」で、エルミタージュ美術館をたっぷり見せてくれるそうです。ここはもともと「冬宮殿」と呼ばれた宮殿で、ここには各国の大使たちが皇帝に謁見するために通った「大使の階段」があります。榎本さんもこの階段を上ったんでしょうか…来週、忘れないように見なくっちゃ。

TBS「世界遺産」のサイトはこちら → 

スポンサーサイト




【2008/01/28 23:05】 | 榎本さん関係
トラックバック(0) |